この本の内容紹介
普通の一軒家にワニが住んでいます。ワニはおなかが空いたので、冷蔵庫にあった肉を自分で焼いて食べます。
家の中を『ずり づづづ』と移動したと思ったら、椅子にきちんと座ります。食べるときにはナイフとフォークも持ちます。
普通の一軒家にワニが住んでいます。ワニはおなかが空いたので、冷蔵庫にあった肉を自分で焼いて食べます。
家の中を『ずり づづづ』と移動したと思ったら、椅子にきちんと座ります。食べるときにはナイフとフォークも持ちます。
作者 | |
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出版社 | |
対象年齢 | |
タグ | |
本体価格 | 900円(税別) |
サイズ/ページ数 | 22×21cm/24ページ |
発行日 | 2007年2月15日 |
ISBN (商品コード) |
9784834022551 |
シリーズ | わにわにのおふろ |
親の私は、このワニはペットなのか、それともワニだけで住んでいるのか、なぜ人間の家に住んでいるのか、など、知りたいことが次々に湧いてきます。
ですが子どもたちは、大人にとってはちぐはぐに見える世界観をすんなりと受け入れ、それよりも言葉の響きに聞き入っています。
『ずり づづづ』と読み上げると、息子が私の顔を見上げてにやり。おなかが空いたわにわにが、冷蔵庫に肉を見つけ『よしよしよし』と独り言を言うと、娘もくすっと笑います。
そして、フライパンで焼いた肉をわにわにが豪快に食べる場面では、2人とも声を出して笑いました。
お腹いっぱいになったわにわにが、幸せそうに日向ぼっこをする場面で終わり、私たち3人までもが、なんだか幸せな気持ちでそのページを見つめていました。
すぐに2人から「もう一回読んで!」の声が上がり、また読み始めます。どうやら子どもたちは、短いけど、発音してみると味わい深い、この絵本で表現されている音が好きなようです。
子どもは、何より気に入っていたのは、肉を冷蔵庫に見つけた時のものではなく、焼いた肉を豪快に食べる時でもなく、わにわにが移動する音、『ずり づづづ』でした。この音がこの絵本の魔力のすべてなのです。
エプロンをつけてフライパンで肉を焼いているけど、地を這うワニだというちぐはぐさを大人の私に決して忘れさせないのです。
子どもには、思わず自分もわにわにのように地面を這いずり回りたい気持ちを起こさせる言葉なのです。
『わにわにのごちそう』は、当時年少の長女に絵本の定期配本として届いた本でした。この不思議な絵本に親子で夢中になりました。
何度目かに読み終わったとき、長男はすでに私の膝からいなくなっていて、床の上を這っています。
長女は私の手から本を奪い取り、まだ文字は読めないけれど、すでに覚えた文を暗唱しています。
この日以来、私たちはわにわにのことをもっと知りたいと願い、わにわにの不思議な世界に魅せられ続けています。